「あつあつを召し上がれ」

帯:
一緒にごはんを食べる、
その時間さえあれば、
悲しいことも乗り越えられる

この味を忘れることは、決してないだろう

感想:

食べ物が関わる短編集。
好きな話とニガテな話がはっきり分かれましたがどれも食べ物の描写はおいしそうでうっとり。
中でもぜひぜひ食べてみたいと思ったのが「親父のぶたばら飯」に出てくるお料理。
その話に出てくる「パートナーを決めるときは一緒に食事をしろ」という母親の言葉には納得、食べ方に人柄が出るもの。
“また”一緒に食事をしたいなぁ、と思えることは大切。
そして、熱いものは熱いうちに。食べる時も、食べてもらう時も。

中には「最後の晩餐」的なお話しもありましたがどれもそれぞれの人の思いがこもった料理達でした。
「こーちゃんのおみそ汁」「親父のぶたばら飯」の話が特に好き。
お腹が空いているときには注意、かも (^_^;)

収録作
バーナのかき氷/親父のぶたばら飯/さよなら松茸/こーちゃんのおみそ汁/いとしのハートコロリット/ポルクの晩餐/季節はずれのきりたんぽ


新潮社 (2011/10)

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「境遇」


誘拐事件の裏に隠された“真実”の意味とは!?

感想
政治家の夫、5歳の息子と幸せな家庭を築き、デビュー作の絵本がベストセラーとなった主婦・陽子と独身新聞記者・晴美は親友同士。
共に36歳の2人には産まれてすぐ親に捨てられて施設で過ごした過去があった。
ある日、「世間に真実を公表しなければ、息子の命はない」という脅迫状と共に、陽子の息子が誘拐された。
犯人の求める真実とは一体何なのか ……。

2人が交互に語っていく形で物語が進んでいく手法ですが途中に挟まれるト書きのような文章が・・・。
しかも、それでラストの説明をしてしまうっていうのはちょっとどうなの?と思いました。
ミステリーは最後までまったく分からず、ラストであっと言わせられたいし、犯行に及んだ動機にもちゃんと納得したいのにその点では全くの期待はずれでした。
読んでいて途中でオチだけでなくどんでん返しまで想像が付いてしまうのも残念だし動機もイマイチ弱い。
そして、登場人物達の感情の薄っぺらなこと!
自分の子供がいなくなってしまった母親はこんなに冷静でいられるわけがないよ、あり得ない。
みんな、いい人すぎだし。
ドラマ化されたそうなので、もともと2時間ドラマのための書き下ろしだとしたら納得。

しおりが2本、という所にはこだわりというか遊び心を感じました。

双葉社 (2011/10/5)

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「葉桜」

葉桜

      

帯:
それは
永遠に届かない、
届いてはいけない恋だった。

感想:
書道教室の先生に想いを寄せる女子高生の物語。
佳奈は小学生の頃から通っている書道教室の先生に密かに想いを寄せていた。でも、先生には奥さんがいて、その想いが報われないことはわかっている。
それでも自分ではどうすることも出来ない想い・・・。
たぶん、恋への憧れや大人の男性への憧れであってほんとうの恋ではない、それでもすごく惹かれてしまう気持ちというのはあると思う。

半紙に書いた和歌で心を伝える先生への想いと
11ページ、ひたすら会話のやりとりが続く妹への想いの対比が良かった。
先生と佳奈のようなやりとりは誰にでも真似の出来るものではない(やっぱり字が美しくなくちゃとか、書かれた和歌に託された想いを読み取る能力、ぱっと返事をしたためられる才能がなくちゃだめだ)けれど平安時代なんかはこうやって想いを伝え合っていたんだろうなぁ。素敵♪
他の教室からきた津田君や先生とかつて同じ師匠のもとで学んだ塚本さん、運命に抗おうとする妹・紗英など、せっかく魅力的な登場人物が出てくるのにあまり深く描かれていないところは残念。

気になる言葉:
P245「ほんとうに好きだった。ずっと見てて、届かないと思ってた。それでもよかった。なのに、もしかしたら摑めるかもしれないと感じたら、途端に進みたくなってる。浅ましいよ。だけど浅ましくてよかった。わたしは摑みたかった。」

葉桜

著者:橋本 紡

葉桜

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「別れの夜には猫がいる」

泥棒猫ヒナコの事件簿 別れの夜には猫がいる (徳間文庫)

      

感想:
泥棒猫ヒナコの事件簿2作目。
1作目を読んで気になっていた雛子の過去が明かされるか、と期待して読みましたがその点はまったく描かれていなくて残念。
助手(?)の楓については過去の、助手になるきっかけとなる事件について描かれていましたが。
きっと雛子の過去が明かされるまで続きが出るんだろうなぁ。
連作短編でサクサク読めます。
が、サクサク読めすぎて前作よりも印象が残らない感じでした。

収録作:
宵闇キャットファイト/孔雀たちの夜宴/夜啼鳥と青い鳥/烏の鳴かぬ夜はあれど/別れの夜には猫がいる

泥棒猫ヒナコの事件簿 別れの夜には猫がいる (徳間文庫)

著者:永嶋恵美

泥棒猫ヒナコの事件簿 別れの夜には猫がいる (徳間文庫)

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「葉桜の季節に君を想うということ」

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

      

感想:
「あらゆるミステリーの賞を総なめにした本作は、必ず二度、三度と読みたくなる究極の徹夜本です。」とのこと、期待して読みました。
「何でもやってやろう屋」を自称する元探偵トラは霊感商法の調査を依頼される。
現在と過去の話など複数の話が同時に進行していてそれらが最後でうまく繋がるようになっています。
最後のどんでん返しでびっくり!だまされた!
(気持ちの良いだまされた!ではないところが残念ですが)
いくらいろいろな賞を取ったといっても、映像化は出来ないですね。

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

著者:歌野 晶午

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)

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