「海薔薇」

帯:
人はそれを不倫と呼ぶ。
でもそれは、清らかな初恋かもしれない…。

夫のいる波奈子。妻のいる徹司。
ニューヨークと倉敷、距離を隔てた大人の恋は、
年に一度の、せつない逢瀬だけでつづけられる―。

感想:

1年に1度同じ日に会う、どちらかが来なければそこで終わり
それ以外の日に連絡はとらない・・・。
そんな関係を40代半ばから続ける二人の物語に「私にはムリ!」。
2人が会う10月5日を中心に話がどんどん年単位で進んでいくのですが
残りの360日あまりを連絡も取り合わず相手の気持ちも確かめずすごすこともムリだし
好きな人に妻(自分以外の人)がいるのもムリだし
1年ごとに劣化していく姿を見せるのもムリ!って
自分が主人公だったら耐えられないよなぁと思いながら読んでいました。
不倫なのに全然どろどろしていなくて現実にはこんなにあっさりと物事が進むことはないんだろう、みんなもの分かり良すぎ!


講談社(2011/11/16)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「長い終わりが始まる」

20代の初めって、こんな感じだったっけ?
あまりに時間が経ちすぎて忘れてしまったよ。
自分ではこんなに幼くなかったと思うんだけど、それは大人になった私目線で思い返すからであって、当事者(当時の自分)だったら共感出来たのかも。
不器用で、自意識過剰な女の子の話。
タイトルが、いい。
登場人物に共感は出来ないのに、時々感じ方にはっとする。
褒められたのに、悲しくなるところとか。
セックスの終わりがどこか、なんて考えたこともなかったので
そういう考えっておもしろい。


講談社 (2011/10/14)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「私の中の男の子」

帯:
仕事愛>異性愛!?
”性別を超える作家”雪村が拓く、新しい「人生の歩き方」とは?
もっともっと、仕事がしたい。
だから私は、他人に異性を求めない。

社会で働き、世界を生きるすべての女性に届けたい、
著者随一の「生き方小説!」

感想:
19歳で作家デビューした雪村は周囲から「女性作家」として扱われることに戸惑いを感じていた。
容姿や性別でなく「作家」としての自分を見て欲しい、と
自分の“女性”を必死で否定しようとする姿が
否定しようとすればするほど拘って囚われてしまっているなぁと痛々しかった。

私は大抵、本を読む前に帯や(あれば)あとがき、著者のプロフィールを見ます。
他の本で見た著者の近影はかわいらしいお嬢さんだったのに今回、おじいさんのイラスト (^_^;)
なんでなんで?と思ったら本読んで納得。
自伝的小説なのかな?

この著者とは考え方がだいぶ違っていて共感はしない(部分が多い)のに
でも時々ドキッとする文章がある。
他の作品で出逢ったはっとするような文章にこの本では出逢えなかったことがザンネン。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「途方もなく霧は流れる」

帯:
「あなたに話さなければならないことがあるんだ」
女は素知らぬ振りをして、いつも抜かりなくすべてを整えている―。
仕事を辞め、失意のうちに東京を引き払って田舎で暮らすことに決めた岳夫。
ボロ家に手を 入れ、一人静かな暮らしを始めた彼の前に現れた一匹の犬と女たち。
思いがけなく展開する人生に立ち向かう、大人のための物語。    

感想:
リストラされて親の遺した軽井沢の別荘に暮らすことに決めた五十男の話。
とはいえ、主人公にそれほど悲壮感もなく、まわりの魅力的な女性達といい関係を築き悠々自適な生活を送っているように見えてある意味楽しそうですらある。
モテモテすぎて現実感ないし共感出来る部分もなし。
飼うことになった迷い犬ロクのエピソードはちょうど我が家で義母の老犬を預かっていることもあってちょっとしんみり。
唯川恵はやっぱり女性を主人公にした話が良い!と思いました。


新潮社 (2012/2/24)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「ヴァニティ」

感想:
アンソロジーなどに執筆した中短編集。(あとがきに「短編集と呼んでいいものか自分でも迷っている、とありますが)
2,30代の女性を主人公にして女同士の嫉妬やあせりなど、女性心理が上手く描かれていて唯川恵らしさのつまった1冊。
一番印象に残ったのが結婚直前に届いた差出人も宛名もない1本のビデオテープを巡る「婚前」。
男女どちらも「まさかあのときの画像?」という心当たりがいくつもあり・・・というドキドキする作品。
本のタイトルの和訳は「虚栄心」、なるほど!

収録作
ごめん。 /プラチナ・リング /婚前/消息/ラテを飲みながら/手のひらの雪のように/anniversary/午前10時に空を見る/フォー・シーズン/PM8:00オフィスにて/明日のゆくえ/あの日の夢/あしたまでの距離


光文社 (2011/11/18)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«「あまからカルテット」