「鴨川食堂」

帯:
思い出の「味」、探します。

感想:
思い出の味を探して再現してくれる「鴨川食堂」。
忘れられない味を求めて鴨川食堂・探偵事務所に訪れた人たちの6皿の物語。
依頼者のわずかな手がかりからたった2週間で見事に求めていた味を再現してくれるのですが謎解き部分があっさりしていて謎解きを楽しみたい方には物足りなそう。
職を探すという設定も最近ありがちだし。
ミステリーとしてではなく人情話として読めば温かいエピソードばかりでほんわかします。
食堂で出してくれるはじめてのお客さんへのおまかせ料理のどれもおいしそうなこと!

鍋焼きうどん/ビーフシチュー/鯖寿司/とんかつ/ナポリタン/肉じゃが


小学館 (2013/11/25)

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「悪いものが来ませんように」

帯:
かわいそうな子。この子は、母親を選べない―。ボランティア仲間の輪に入れない、子育て中の奈津子。たとえば、いますぐわたしに子どもができれば     ―。助産     院の事務をしながら、不妊と夫の不実に悩む紗英。二人の異常なまでの密着が、運命を歪に変えてゆく。そして、紗英の夫が殺されて見つかった。女2     人の、異     常なまでの密着、歪な運命。気鋭の新人が放つ心理サスペンス!

   

感想:
最後まで読んだら、絶対もう一度読み返したくなる!
との貫井徳郎氏の言葉通り、読み終わって真実が判ってからもう一度読みました。
どんでん返しが、トリックありきじゃなくてちゃんとテーマに沿っているから違和感がない。
身につまされる(共感する)人としない人がはっきり分かれそう。


角川書店 (2013/8/30)

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「だれかの木琴」

帯:
  どうしてわかってくれないのだろう。
    私は、“あなた”が大好きなだけなのに。

    主婦の小さな失望がありふれた家族と若いカップルの日常を静かに歪めていく

    息苦しいまでに痛切な長篇小説

    あなたの奥さんが何してるか知ってるんですか?
    ストーカーですよ。

   

    感想:
帯にある“あなた” はてっきり主人公の主婦、小夜子がストーキングしている海斗のことかと思って読んでいたけど、読んでいるうちに気がついた、 この“あなた”は夫・光太郎のことだ、と。
あらすじを素直に読むと平凡な主婦が若い美容師に恋をしてそれがエスカレートして・・・という感じの話のようですがちょっと(?)違いました。
確かに、しつこくメールを送ったり彼の家や彼の恋人の勤め先にまで行ったりとその行動は海斗への執着でそれがどんどんエスカレートしていく様が痛々しくも恐ろしいのですがすごく執着している割には彼からの愛は求めていないような感じが。
それが不思議だったのですが小夜子がほんとうに求めていたのは海斗ではなく光太郎だったんだ、と思うと納得でした。
光太郎は光太郎でかつては(今も?)深く愛していた妻との関係に悩んでいてお互い変な形でそれを解消しようとしてしまったところが問題で、結局のところ海斗は脇役で小夜子と光太郎の物語なんだな、と。

   
幻冬舎 (2011/12/9)

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「終の信託」

尊厳死を実行した医者と彼女を取り調べる検事の物語。
18年間担当した重度の喘息患者から託された「最期のときは先生に決めて欲しい。長引かせないで欲しい。」という思いを受け入れた女医が患者を安楽死させた疑いで告発される…。

実在の事件を元に描いた物語だそう。
物語としてはどうして3年も経ってから告発されたのか?とかラストはどうなるのか?とか長篇の一部分を切り取ったような中途半端感があり残念。
被疑者の言い分を聞かずに、自分達に都合の良いように事件を解釈しようとする司法の姿が描かれていて、実際もこんな風に取り調べられるのかと思うと恐ろしい。
理不尽な取り調べシーンに重きが置かれてしまって主題であるはずの尊厳死の印象が薄れてしまったようで残念。

「よっくんは今」も検事が刑事に変わっただけでこうして冤罪が作られるのかと恐くなる。
ただ、こちらの主人公の動機は「どうせ言っても分からない」と言うように、読んでも全く理解できませんでした。

終の信託/よっくんは今


光文社 (2012/6/12)

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「ハピネス」

帯:
結婚は打算から始まり、
    見栄の衣をまとった。

    憧れのタワーマンションに暮らす若い母親。
    おしゃれなママたちのグループに入るが、
    隠していることがいくつもあった。

感想:
あこがれのタワーマンションに暮らす有紗・花奈母娘。
有紗には、いぶママ、芽玖ママ、真恋ママ、美雨ママという4人ママ友がいる。
だが彼女ら5人は決して対等なのではない。
格上のベイウエスト・タワーに住む いぶママ、芽玖ママ、真恋ママの3人と、格下のベイイーストタワーに住む有紗、
近所の普通のマンションに住む美雨ママの間には目に見えない格差がある。
ある日、有紗は美雨ママからいぶママら3人からすれば、自分たちは「公園要員」にすぎないと言われ…。

タワマンにすむママ友同士の優越感や劣等感、ライバル意識みたいなものが主題かと思いきや実は有紗には隠していたことがいくつもあり、でちょっと話が盛り込まれすぎで散漫な感じが残念。
もっとママ友同士のどろどろした感情を描いたものを期待しました。
雑誌「VERY」の連載から衝撃的な結末を加筆!とありますが何だか腑に落ちないすっきりしないラストでした。
主人公たちが「VERY」に出てきそうな感じなので連載中は共感を得やすいようにもっとハッピーエンドだったのかな?
桐野夏生にしては毒がない。


光文社 (2013/2/7)

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