橋本紡

「もうすぐ」

もうすぐ Book もうすぐ

著者:橋本 紡
販売元:新潮社
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ネット新聞の記者、由佳子が、特集「産む」で掲載した女性たちの妊娠・出産にまつわる体験記と、由佳子が産婦人科医が逮捕された刑事事件の背景や医療裁判の経過を調べていく部分、由佳子自身の生活が交差しながら描かれた物語。
「渾身の長編」と帯にはあるけれど短編の寄せ集め(短編同士の間に由佳子の私生活の話と記者としての仕事の話がそれぞれつなぎになっている)という感じ。
ですがそれぞれの短編というかエピソードは面白く、特に印象に残ったのが「お産難民」。
妊娠の経過は診ても出産はしていない病院が増えたために出産する場所が見つからない夫婦の話だ。
予約を取らないと、といっても今目の前で産まれそうでも受け入れてはもらえないのかしら?
男性の不妊検査をそれぞれの視点で描いた「停泊地」「漂白地」ではお互いのズレがうまく描かれています。
私はやっぱり女性の方に共感しますが。(男性が最後に口にするデータ、あるいは偏見にはちょっとムッと・・・。)
気になったのが主人公たちが皆30代後半ということ。
第2子、3子ならともかく その年になってはじめて子供を望む(その年になるまで望まない)人が本当に増えているんだろうか?とちょっと不思議に思いました。

★★★☆(2009、8、23)

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「流れ星が消えないうちに 」

流れ星が消えないうちに Book 流れ星が消えないうちに

著者:橋本 紡
販売元:新潮社
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続けてまた三角関係もの?でした。
1年半前の旅先の事故で自分の知らない人と一緒に死んでしまった恋人・加地を忘れられない奈緒子と加地の親友で今は奈緒子の恋人・巧。
なんていうとちょっとどろどろした感じがしますがそんなことはなく大切な人を失った二人が交互に語っていくこの物語では穏やかに日常がすぎていきます。
奈緒子は今でも最愛の人だった加地を忘れるべきではないと思っているし忘れられないでいる。
(そのために二人の思い出のある自分の部屋では眠れず玄関でしか眠れなくなってしまうほど)
巧はそんな彼女に彼のことを忘れて欲しいと願うわけでもなく
二人とも彼との思い出(というか、関係?)を大切に今も生きています。
そんな「立ち止まってしまっている」二人(主に奈緒子)が自分の内面を見つめなおし
少しづつ少しづつ歩き出そうとするさまにちょっとじんとします。
(そのきっかけになるのが死んでしまったかけがえのない人の言葉で
その言葉は家出をしていた奈緒子の父をも救うのです。)
「恋愛小説の新しい名作」とありましたが恋愛小説というだけではないように思います。

★★★★ (08.8.13)


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「九つの、物語」

九つの、物語 Book 九つの、物語

著者:橋本 紡
販売元:集英社
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大学生のゆきなの前に、2年前に死んだはずの兄禎文が突然現れ、生きていた頃と同じように一緒に暮らし始める。
兄はなぜ死んだのか、どうしてそれを自分は覚えていないのか、両親との確執、恋人とのすれ違い・・・。母親からの手紙で兄の死の真相を知ったゆきなの心は崩壊していく。
・・・と書くとハードそうですが特に大きな事件もなくまったりとお話が進んでいきます。
ふんわりと優しい雰囲気で、好きです、こういう感じ。
兄の影響でたくさんの本を読むゆきながそのときに読んでいる小説とともに話が進行していくので作中に出てきた本も読んでみたくなります。
それから各章でお兄ちゃんの作る料理のおいしそうなこと!
読むと料理がしたくなる(食べたくなる?)かも。

縷紅新草 待つ 蒲団 あぢさゐ ノラや 山椒魚 改変前 山椒魚 改変後 わかれ道 コネティカットのひょこひょこおじさん

★★★★ (08.7.15)

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